大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和25(オ)176 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人弁護士竹内信一の上告理由第一点について。

記録を調べると、上告人は昭和二三年二月二四日の第一審口頭弁論期日において、

被上告人から本件賃借権譲渡につき賃貸人たる被上告人は承諾を与えていないとい

う事実を含む本訴の請求原因たる事実の主張があつたのに対し、右主張事実は全部

認めるが目下転居すべき家屋がない旨のべたことが明かであつて(記録第一一丁参

照)、上告人の右陳述を所論のような趣旨に解する余地は全くない。されば原審が

本訴請求原因たる事実につき自白があつたものとしたのは正当であつて、論旨は理

由がない。

同第二点について。

賃借権の譲渡につき賃貸人の承諾を欠くときは、右譲渡を以て賃貸人に対抗し得

ないことは民法六一二条の解釈上当然であつて、賃貸人が右承諾欠缺の効果を主張

するにつき所論のような正当の事由を必要とするものと解すべき法律上の根拠は全

くない。また、被上告人が上告人に対し論旨にいうようなことを申向けたとの事実

は原審の認めていないところである。

されば論旨は採用し得ない。

よつて民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で主文のとおり

判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

- 1 -

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!